トゥエンティ20(Twenty20)

トゥエンティ20(Twenty20)

新しいクリケット「トゥエンティ20」は、2003年に生まれました。

1試合に最大5日間を要する「テスト」や、従来のリミテッドオーバー制の「ワン・デイ・クリケット」とは異なり、「トゥエンティ20」は約3時間で試合が終了する短縮形のクリケットです。

他の人気のスポーツに近い試合時間で行われるトゥエンティ20は、2000年前後に観客が伸び悩んでいたクリケットの観客動員を向上させ、テレビの視聴者にとっても魅力的なものになりました。トゥエンティ20の登場により、「試合時間が長い」と言われ続けてきたクリケットは一気にスピーディーでエキサイティングなスポーツに様変わりし、クリケットは更に世界に広まりました。現在では国際ツアーの参加国は50カ国以上になりました。

概要

各チームは1イニングのみで、最大20オーバーまで行われます。10アウト取るか、もしくは20オーバー終了時点で攻守が交代します。

バッティングチームのメンバーは、2人がグラウンドに入り、テストクリケットのようにロッカーへ行くのではなく、サッカーで言うテクニカルエリア、野球で言うダグアウトのような、控えのベンチで出番を待ちます。

コイントスを行った後に、コイントスに勝利した側が先攻・後攻を決めることができます。先攻のバッティングが終わった後は、10分間の休憩時間を挟んだ後に、攻守が交代します。

また時間短縮を目的としたトゥエンティ20ならではのルールとして、片方のチームが75分を経過しても20オーバーが完了せず、イニングが終わらない場合、1オーバーごとに攻撃側のチームに6ランが加点されます。

ボウリングの制限

トゥエンティ20でも、ワン・デイ・クリケットと同様に、投球可能なオーバー数に制限があります。最低でも5人のボウラーが投げられるように、最大5分の1しか投げられません。トゥエンティ20では、最大4オーバーまでしか投げられません。

また全ての試合形式同様、同じボウラーが連続してオーバーを投げ続けることができず、オーバー終了時点でボウラーは一旦交代になります。

フィールディング制限

ワン・デイ・クリケット同様、トゥエンティ20でもオーバーごとのフィールディングの制限が定められています。

  • レッグサイド(バッツマンが構えている側)には5人以下の選手を配置可能
  • 1〜6オーバーまでは、2人の選手が30ヤードのサークルの外に配置できる
  • 6オーバー以降は、最大5人の選手が30ヤードのサークルの外に配置できる

ワン・デイ・クリケット同様に、バッツマンに積極的なバッティングを促すために、フィールディングの制限が設定されています。

歴史

きっかけは2002年。イングランドのクリケットタイトル「ベンソン&ヘッジスカップ」が、メインスポンサーの撤退により、30年で終了することになったことから始まりました。当時のイングランドは、観客の減少とスポンサーの撤退により、人気が低迷している時期で、イングランド&ウェールズクリケット協会(以下ECB)は、若い世代での人気回復をするべく、新しいクリケットの開発を試みました。

2003年6月13日に、イングランドの州対抗戦で20オーバー制の短縮形のクリケット「トゥエンティ20」が行われました。翌年からトゥエンティ20の新シーズンが始まり、2004年7月15日に行われた「ミドルセックス・カウンティ-サリー・カウンティ」戦は、これまで行われたイングランドでのワン・デイ・クリケットのリーグ戦での試合では最多となる、27,509人の観客を集めました。

イングランドで始まった「トゥエンティ20」は、世界中に広まり、2004年にはパキスタン、2005年にはオーストラリア、2006年には西インド諸島、インドで新シーズンが始まりました。2008年2月に行われたトゥエンティ20シリーズ「インド-オーストラリア」では、メルボルン・クリケット・グラウンドに85,824人の大観衆を動員しました。

2007年からは、トゥエンティ20のワールドカップが、南アフリカで初開催されました。決勝はインド-パキスタンの宿命のライバル対決が行われ、157対152でインドが初優勝を飾りました。トゥエンティ20のワールドカップは、若干の開催年で変更はあるものの、2年に1度開催されており、今年(2021年1月現在)はインドで10月に開催される予定です。

インディアン・プレミアリーグ

トゥエンティ20の開発は、世界的なリーグを生みました。2007年に設立されたインドのトゥエンティ20リーグの「インディアン・プレミアリーグ」です。

トゥエンティ20方式で行われる「インディアン・プレミアリーグ(以下IPL)」は2008年から始まりました。ホーム&アウェーで2回戦方式で全14試合行われ、上位4チームが決勝ラウンドで変則トーナメント方式で優勝を争っています。

5200万人の競技人口を誇るクリケット大国のインド。IPLは開幕以来、成長をし続け、現在では世界で最も人気のあるクリケットリーグとして知られています。ニューヨーク紙のダフ&フェルフスが発表したIPLのブランド価値は、4,750億ポンド(約68兆円)と発表されています。

毎試合、満員の大観衆を集め、国内外の多くの視聴者を獲得しているIPLには、インドのスーパースターのみならず、世界のクリケットスターが集まるリーグとなっており、今や世界で最も華やかで、盛り上がっているクリケットのコンペティションとなっています。