LBW(レッグ・ビフォー・ウィケット)とは、守備側の選手がバッツマンをアウトにする方法の一つです。
ボウラーはウィケットを倒せば「ボウルド」でアウトにすることができますが、ウィケットの前にバッツマンがウィケットに当たるボールに対して、身体(主に足)で止めた場合、バッツマンはアウトになります。
LBWでアウトにする場合、守備側の選手がアンパイアに向かってアピールをしなければいけません。アンパイアがLBWを認めた場合、バッツマンはアウトになります。
歴史
LBWのルールが登場したのは、18世紀後半でした。きっかけになったのは、バッツマンが安全のために、パッド(すね当て)を使用するようになってからです。。すね当てをつけた足を利用してウィケットに当たらないようにするプレーが行われるようになり、LBWが1774年に登場しました。
ルールを採用するにあたって「バッツマンが故意に足でボールを止めた」判断を明確にするのかで日々改良が積み重ねられました。1839年にはウィケットと同じラインで投げた場合のみ、LBWが適応されました。
1935年にはLBWのルールが拡大され、ボウラーがアウトサイドかインパクトライン(ウィケットがあるライン)に投げた場合に適応されました。しかし、ウィケットに当たらないラインに投げても、足にボールが当たればアウトなることもありました。それによって、ボウラーはウィケットを狙わず、相手の足が当たるラインを狙うようになってしまい、ゲームがとても退屈なものに変わってしまいました。
1980年にルールが改正され、バッツマンがバッティングを試みていない場合でも、ウィケットに当たるはずのボールが身体にあたった場合でも、LBWが適応されることになりました。
テクノロジーの導入
1993年にはテクノロジーの発展により、放送局がホークアイを導入すると、LBWの割合が多いと見られていました。しかし、クリケットにおけるビデオ判定の導入には、様々な議論を生んでおり、「コンピューターに任せるべき」「審判の判断が重要だ」などの意見に分かれていました。
ICC(国際クリケット評議会)は2002年から、ビデオ判定の導入に向けての研究が行われ、2008年のテストマッチシリーズからDRS(The Umpire Decision Review System/審判決定レビューシステム)が採用されました。これはチームキャプテンが、審判に対して、ビデオ判定を要求するシステムで、現在では各イニング3回要求することができます。
LBWが発生する条件
LBWでアウトにできる条件はこちらの5点です。
- ノーボールでない(肘曲げ投球、ラインを踏み越えていないこと)
- アウトサイド、またはバッツマンの正面から来るボールである※
- ボールがバットにあたっていない
- 身体にボールが当たっている
- ボールの軌道がウィケットに当たる
この条件が揃った場合、守備側の選手が「How That!(ハウザット!)」とアピールすると、審判の判断によりLBWと判定され、バッツマンはアウトになります。
※背中側(レッグサイド)から来るボールは無効
おまけ:アピール集
LBWといえば、欠かせないのが「アピール」です。クリケットという競技のなかでも、もっともアクションが大きい瞬間です。クリケットはバッツマンをアウトにするのが難しい競技だけに、守備側の選手はやはり必死になります。そのアクションの大きさを楽しむのもクリケットの醍醐味でしょう。
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