クリケットには欠かせないデータとして「ネットランレート（NRR）」というものがあります。
リーグ戦で順位を決めるデータ
クリケットの順位表には欠かせない「NRR」。これはリーグ戦において順位を決めるには重要な要素になります。サッカーでいうならば「得失点差」のようなものになります。クリケットでは、先行が勝利する場合は先に取ったランを守り切り、後攻チームは相手が先に奪ったランを越えた時点で試合が終了するため、計算方法が少々複雑になっています。
計算方法
まずはバッティングサイドが1オーバーごとに獲得する平均ラン数を計算します。
計算方法は、「合計ラン数」を「消化したオーバー数」です。
50オーバーで481ランを獲得した場合は、481/50で「9.62」になります。
そして、48.1オーバーで481ランを獲得した場合は、消化したオーバー数の計算が若干複雑になり、48と6分の1がオーバー数となります。よって稼いだラン数482から48と1/6を割る計算になるため、
482/（48+1/6)で「10.006」になります。
…後攻チームが勝利した場合は、計算が非常に複雑になりますね。
そして、両チームのランレートを引いた数字が「ネットランレート」となります。上記の数字から計算するならば、以下の通りになります。
勝ったチームのNRRは「0.389」で、負けたチームは「-0.389」となります。
リーグ戦のNRR
リーグ戦でのNRRについてです。リーグ戦で勝利数が並んだ場合、NRRで最もデータが良いチームが上位になります。リーグ戦でのNRRの計算はこちらになります。
NRR＝（全試合の総得点/全試合攻撃時のオーバー数）-（全試合の総失点/全試合の守備時のオーバー数）
これはサッカーの得失点差と同様で、単純に得点から失点を引いたものになります。ただ、消化したオーバー数が異なるため、得点からバッティングを行ったオーバー数を割っていった数字から、失点からボウリングを行ったオーバー数を割った数字を引いていくという、若干複雑な計算になるのが特徴です。
そこで昨年行われたT20ワールドカップの1次リーグを戦ったスリランカのデータを参考にしてみましょう。
第1戦
| 🇳🇦ナミビア | 163/7（20オーバー） |
| 🇱🇰スリランカ | 108（19オーバー） |
第2戦
| 🇱🇰スリランカ | 152/8（20オーバー） |
| 🇦🇪UAE | 73（17.1オーバー） |
第3戦
| 🇱🇰スリランカ | 162/6（20オーバー） |
| 🇳🇱オランダ | 149/9（20オーバー） |
計算方法は以下の通りになります。
ここまで来るとかなり複雑な計算になりますが、こちらでスリランカのNRRが出されます。3試合合計のスリランカのNRRは「+0.667」になります。
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