クリケットは野球とどう違う?

日本ではマイナースポーツだが、世界的にはサッカーについでプレー人口が多いと言われるクリケット。

ボールとバットを使用するスポーツとして「野球の原型」と言われるクリケットですが、実際のプレー動画を見ても「何をしているんだろう?」「意味が分からない」と思われる人は多いのかもしれません。

クリケットには、野球と似ている部分はありますが、全く異なる部分もあります。ブログ始めたばっかりなので、ほとんど手をつけられていない部分がたくさんありますが、初歩的な部分について触れていこうと思います。

目次

基礎編

どちらも「打撃側」「守備側」に分かれる

まずは、2つのチームは「打撃側」「守備側」に分かれます。ゲームの大枠からですが、基本的には守備側がボールを投げて、攻撃側はバットで打つことには、クリケットも野球も変わりありません。

攻撃側は1人のバッター(バッツマン)に対して、守備側はピッチャー(ボウラー)とキャッチャー(ウィケットキーパー)の組み合わせで、この辺りはほぼ野球と変わらないでしょう。

そして、どちらの競技でもピッチャー(ボウラー)は右利きも左利きも存在し、バッター(バッツマン)は右側に構える人もいれば、左側に構える人もいます。

この辺りは基本的には違う部分はありません。さてここからです。

1チーム11人

まず単純に人数が違います。野球は9人で行うのに対して、クリケットは11人です。

クリケットの攻撃側の選手は、1から11までの打順で、アウトになった選手は、次の打順の選手に交代します。守備側の選手はボウラーとウィケットキーパーとフィールダー9人の11人でポジションを取ります。

クリケットは10アウト

野球では3アウトで交代になりますが、クリケットでは10アウトで交代になります。

野球は9イニング制ですが、クリケットはテストマッチ方式では2イニング制、ワンデイ・インターナショナルとT20では1イニング制です。

野球は1回から9回まで表裏で入れ替わりますが、クリケットは基本的には先攻後攻の交代1回だけで終了する流れだと考えると良いでしょう。

守備編

守備位置は自由

守備に関してですが、野球のポジションは全て所定位置に決められていますが、クリケットではボウラーとウィケットキーパー以外の9選手は、自由にポジションをとっても構いません。

バッツマンの特徴によって、自由にポジションを変えられるのが、クリケットの守備の醍醐味の一つになります。野球では内野手は4人、外野手は3人と決められていますが、クリケットでは長距離を得意とするパワーバッターに対しては、外野に選手を増やすことも可能であり、逆にピッチに近い場所に人数を割くことも可能です。

さすがに極端ですが、この動画のように、他のフィールダーが全員近くにポジションを取ることも可能です。

ピッチャーとボウラーの違い

基本的なボウラーのルールですが、野球では助走はNGですが、クリケットでは助走が許されています。

また、クリケットのボウラーはバウンドさせながらの投球が許されています。野球ではバウンドさせた時点で「ボール」の判定になりますが、クリケットではそのような判定にはなりません。

ただし、クリケットのボウラーには制限があります、肘を伸ばしながら投球をしなければならず、白線を超えての投球は許されていません。反則投球を取られた場合、相手に1点が入ります。肘曲げを厳禁としているのは、ボウラー側が圧倒的に有利になるため、攻守のバランスを取るために、投球ルールに制限が設けられています。

ボウラーは6球で交代

野球では一人のピッチャーが監督によって交代が命じられるまで、延々と投げ続けますが、クリケットではある一定の球数でボウラーが交代になります。

国際ルールでは6球ごとでボウラーが交代になり、6球投げ終わった後は、ピッチの反対側から別のボウラーが投球を開始します。クリケットでは一人のボウラーが5分の1に値する球数までしか投げられないため、1チーム少なくとも5人のボウラーが必要になります。

野球のように、1人のピッチャーが最後まで完投するのは、クリケットでは認められていません。

グローブ着用はウィケットキーパーのみ

野球ではピッチャー、キャッチャー、野手の全員がそれぞれのグローブを着用してプレーしますが、クリケットでは全て素手でプレーします。ボウラーが直接投げるボールをキャッチするウィケットキーパーのみがグローブをはめることができます。

クリケットの硬いボールを素手でキャッチするのは至難の業です。グローブなしのキャッチングは、クリケットの醍醐味を象徴するプレーの一つでしょう。

攻撃編

ベースが存在しない

まず、野球と大きく違うのは「ベース」の概念がありません。

「打ったら走る」ということには変わりありませんが、クリケットではベースの代わりに反対側のウィケットがあるクリースまで走ります、反対側にいる「ノンストライカー」と呼ばれるバッツマンと交差するように走り、2人共、クリースに到達したら、1点が入ります。

ただし、相手の返球が先に届き、ウィケットを倒されてしまうとアウトになります。

アウトになるまで打ってもいい、だが…

クリケットには野球で言うストライク、ボールといった「スコアカウント」が存在しないため、何回空振りしてもアウトにならない限りは、何回でも打つことが可能です。

しかし、バッツマンは一度アウトになってしまったら、この試合ではもう2度と打つことができません。クリケットは1イニングで打順は1度のみしか回らないからです。

ファールゾーンがない

野球にはファールゾーンがあり、前方90度までしか打てませんが、クリケットではファールゾーンが存在しません。

よって野球では考えられないような打撃方法も可能で、側面や背面を狙うことも可能です。相手の守備位置を見て、多様な打ち方ができるのはクリケットの醍醐味でしょう。

デッドボールがない

野球にはデッドボールがあり、投手の投げたボールが身体に当たると、1塁へ進塁しますが、クリケットでは身体の一部もバットと同じ扱いになるため、デッドボールが存在しません。

身体に当たりそうなボールは、避けても問題ないですが、ワンデイ・インターナショナルやT20では、球数が限られた試合では、得点を上げるために積極的に撃っていくこともクリケットではよくあります。

6ランと4ラン

野球ではノーバウンドでフェンスを超えると「ホームラン」になりますが、クリケットでも「バウンダリー」と呼ばれる小さなフェンスをノーバウンドで超えると、得点が入ります。野球ではランナーの人数次第で得点は変わりますが、クリケットでは「6ラン(6点)」になります。

そして、クリケットでは野球と異なり、バウンドしてバウンダリーにヒットした場合も得点になります。その場合は「4ラン(4点)」になります。

バウンダリーを超えてキャッチしてしまった場合は、相手の得点になってしまうので、フィールダーは必死になってボールがバウンダリーに到達しないように、身体を張って守ろうとします。上の動画ではダイビングキャッチしたまま落ちると、相手に6ラン入ってしまうので、必死になってかきだしています。

アウトの条件

アウトの条件は、野球と近い部分があります。ちょっとした違いはありますが、野球に慣れている方にとっては、なんとなく馴染めるのではないかと思います。

ボウルド

まずはボウルド。ボウラーが直接ウィケットを倒した場合は、バッツマンはアウトになります。野球では「ストライク」になるものが、クリケットでは一発で「アウト」になってしまうと考えたら良いでしょう。

そのため、バッツマンはバットでウィケットを守るようにして、バットを振っていかなければなりません。野球では横方向にバットを振り回しますが、クリケットでは「ウィケットを守らなければならない」以上、下からバットを振っていくのが基本となっています。

バットの振り方で野球経験者は苦戦するみたいですね。

コート

そして「コート」。これは野球と同じです。

野球で言う「フライ」「ライナー」と同じもので、打球をノーバウンドでキャッチすると、相手をアウトにすることができます。

クリケットではアウトを取るほうが難しいので、キャッチングすると盛り上がります。

ランアウト

これも野球と似ている「ランアウト」。

ゴロなどでフィールダーの選手がボールを取ったときに、相手がクリースに到達するまでにボールをウィケットに当てたり、キャッチした選手がウィケットを倒したりすると、打ったバッツマンはアウトになります。

他には「LBW」「スタンプト」などのアウトはありますが、だいたいはこの上の3つが、アウトの中心になります。

簡単な説明をするなら「野球にベースの概念をなくしたもの」「野球にファールゾーンをなくしたもの」「ストライクやボールなどのスコアボードの概念をなくしたもの」などを抑えておくと、なんとなく入りやすいのかもしれませんね。

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