ワン・デイ・クリケットとは、文字通り、1日で試合が終了するクリケットの試合形式です。またの名を「リミテッドオーバークリケット」と呼ばれ、試合数で各チームにオーバー数(1オーバー=6球)の上限が設定されています。
この方式は、最大で5日間かかる「テストクリケット(またはファーストクラスクリケット)」とは対称的な方式です。規定のオーバーが終了すると攻撃が交代するので、アグレッシブかつ、ユニークなバッティングを促進するものです。観客にとっては1日で試合展開をすべて観戦できるので、とても人気があります。
概要
各チームは1イニングのみ、バッティングを行い、設定されたオーバー数の中でランを競い合います。ODI(ワン・デイ・インターナショナル)の場合は、最大50オーバーでイニングが終了し、リストA(国内リーグ戦)ではおよそ40〜60オーバーの間で行われます。
「ワン・デイ」とは表記されていますが、インターナショナルマッチや重要な試合では、2日目は「予備日」として設定されます。初日に雨で中断になった場合に、試合を行う時間を確保するためです。
ボウリングの制限
ワン・デイ・クリケットでは、1人のボウラーが投げるオーバー数に制限があります。最低でも5人のボウラーが投げれるように設定されており、1人のボウラーが投げられるオーバー数は、最大で全体の20%に制限されています。ODIの場合は、最大10オーバーまで投げることができます。
これは、スタミナに優れるトップクラスのボウラーが2人で投げきってしまうのを防ぐためです。優れた個人だけに頼らず、チームプレーを重視するクリケットならではのルールです。
フィールディング制限
ワン・デイ・クリケットでは、イニングごとで守備の制限があります。
1〜10オーバー 2人まで
11〜40オーバー 4人まで
41〜50オーバー 5人まで
ある日のクリケットの試合で、相手のバッツマンに多くのランを与えないため、バウンダリー近くにフィールダーを全員配置する試合がありました。これによって、4ランが大幅に減ったため、ルール変更が行われることになりました。バッツマンに積極的なバッティングを促すために、守備のチームは過剰に守備をしないように、半径30mから外に配置される選手数が、オーバーごとで制限されることになりました。
歴史
1日限定の50オーバークリケットのアイデアは、インド南部のケララ州のコーチンにある「オール・インディア・プージャ・クリケット・トーナメント」で行われました。元クリケット選手でケララクリケット協会のKVケラパン・タンプランによるアイデアとされています。
イングランドでは1日限定のクリケットは、1962年に65オーバー制で行われました。レスターシャーはダービーシャーに勝利し、ノーサンプトンシャーはノッティンガムシャーに勝利しました。翌年にはノックアウト制のジレットカップと言われる大会が行われました。オーバー数が徐々に減り、現在では50オーバー制になりました。
ワン・デイ・クリケットの国際試合である、ODI(ワン・デイ・インターナショナル)は、1971年にメルボルンでオーストラリア-イングランド戦からスタートしました。テストクリケットでは、ユニフォームの色が白のみだったが、ODIでは各国様々な色でプレーし、白色のボールが使用されています。
その5年後である、4年に1度のクリケットの祭典「クリケット・ワールドカップ」が1975年から始まりました。
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