クリケットのスタッツで最も優秀なバッターを表す「バッティングアベレージ」というものがあります。ICCが定めており、各種クリケットのメディアでも採用されているものです。
ランの平均数を表すデータ
赤枠で囲ったものが「バッティングアベレージ」です。
今回はこのデータについて説明しましょう。
これは野球における「打率」に近いものになりますが、クリケットでは計算方法が異なります。クリケットでは、獲得したランの合計数をアウトした合計数で割るというものです。

すなわち「バッティングアベレージ」というのは、バッターが1度アウトになるごとに、稼いだランの平均値を表しています。
クリケットでは、アウトになるまでは同じイニングでバッティングを行うことができます。平均的に多くのランを稼ぐ選手は、おのずとこの「バッティングアベレージ」は上位にランクインされます。
ブラッドマンはどれほどすごかったのか?
そして、テストが行われるたびに、まず見ることになるだろう記録が「クリケットの神様」こと、オーストラリアのサー・ドナルド・ブラッドマンの記録です。

1920年代から40年代まで活躍し、テストクリケット52試合(80イニング)で6996ランを記録し、センチュリー(100ラン)は29回達成するなど、並外れた実績を残したブラッドマンは「史上最強のバッター」と呼ばれています。
野球で言うとベーブ・ルース、サッカーで言うとペレ、バスケットボールではマイケル・ジョーダンなどといった、各スポーツ界の「象徴」と言える人物です。
100年以上の歴史があるクリケットの国際試合において、多くてもほとんどが平均60ラン前後ですが、ドナルド・ブラッドマンだけは、驚異の「99.94」を記録しています。これはブラッドマンが記録して以降、80年以上抜かれるどころか、どのバッターも到達する気配もないほど驚異的な記録です。
要するにブラッドマンは、1回アウトになるごとに99ランは稼いでいるという計算になります。まず「試合に出るたびにセンチュリーは当たり前だった」と考えられるでしょう。
現代のクリケットでも、センチュリーを達成する選手は多くいますが、他の試合ではすぐにアウトになってしまい、獲得したランが2桁にも及ばないことは多々ありますが、ブラッドマンのこの数字は「そう簡単にアウトにもならなかった」バッターであったことが考えられます。
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