スリランカのクリケット事情に触れていきます。
クリケットの歴史は200年近くに及び、スリランカでは国民的なスポーツとして親しまれています。代表チームは、クリケットワールドカップ優勝1回、T20ワールドカップ優勝1回で、テストクリケットにも参加している、世界屈指の強豪として知られています。
愛称は国章に記されているライオンから「ライオンズ」、または「アイランズ」として親しまれています。
歴史
セイロン(スリランカ)にクリケットが伝わったのは、今から190年前にイギリス人によって紹介されました。セイロンでの初の試合は1832年5月2日に、地元紙コロンボジャーナルで、コロンボクリケットクラブによって行われました。最初はセイロンでの入植者と訪問者だけがクリケットをプレーしていましたが、数を補う必要もあったため、ネイティブのセイロン人にも伝えられるようになりました。
1882年には、オーストラリアとの「ジ・アッシズ」に挑むために、オーストラリアへ遠征途中のイングランド代表が、セイロン島に訪れて、セイロン選抜と11人制の試合を行いました。そして1890年には、イギリスへの遠征途中のオーストラリア代表が、渡航途中にセイロン島に寄って、同じくセイロン選抜と試合を行いました。
1922年には、スリランカクリケット協会の前身である「セイロンクリケット協会(CCA)」を設立しました。最初の試合は1926年にセイロンXIとインドのルーカス・ボンベイXIがコロンボで行われました。
何年もの間は、隣国インドとの試合以外は、イングランドとオーストラリアのナショナルチームが、遠征の渡航途中にセイロン島へ訪れての試合に限定されていました。しかし、1937年にはニュージーランドのナショナルチーム、1949年にはパキスタンと西インド諸島がセイロンで試合を行いました。
1965年にICCのアソシエイトメンバーに加盟し、1972年に国名をセイロンからスリランカへ改称し、協会も「スリランカクリケット協会」に改名になりました。1975年にはイングランドのマンチェスターで行われた、クリケットワールドカップに初出場し、1985年からはテストクリケットに参戦しています。
1996年にはクリケットワールドカップで優勝を果たし、2014年にはT20ワールドカップで優勝を果たし、クリケット界ではスリランカは強豪チームの一角として名高く知られています。
最大のライバルはインド
スリランカにとっての最大のライバルは、隣国のインドです。セイロンクリケット協会が設立されてから、インドとは長年試合が行われていました。両チームの対戦は2年ごとに行われ、スリランカはコロンボ、インドはマドラスで行われていました。
1996年のクリケットワールドカップでは、準決勝でインドと対戦し、スリランカは251ランに抑えられるものの、インドのバッティングでは、主軸のサチン・テンドルカールを早々にアウトにすると、インドのバッツマンは総崩れし、120ランで終了。この試合で勝利したスリランカは、決勝でオーストラリアに勝利し、初のワールドカップ優勝を飾りました。
2011年のクリケットワールドカップでは、決勝でインドとスリランカが対戦。スリランカがマヘラ・ジャヤワルデンとクマール・サンガッカラを中心に合計274ランを稼ぐものの、ガウタム・ガンビームとMSドーニを中心にランを稼いだインドが277ランを記録し、リベンジを果たしました。
スリランカは、世界屈指のクリケット大国のインドとは、ライバル関係を築き上げています。
ラホールクリケットスリランカ代表襲撃事件
スリランカのクリケットは、2009年にパキスタンのラホールへ遠征中に、カダフィスタジアムでの試合に望むところ、テロ組織に襲われる事件に遭遇しました。
この事件により、主力選手のマヘラ・ジャヤワルダナ、クマール・サンガッカラを始め、スリランカ代表選手の6人が負傷。警備員6人と民間人2人が死亡しました。
この影響により、2011年のクリケットワールドカップの共催国にインド、スリランカと共に入っていたパキスタンは除外されることになりました。
国内リーグ戦
スリランカの国内リーグ戦は3種類行われています。テスト方式で行われるファーストクラスクリケットは「プレミアトロフィー」、ワン・デイ方式で行われるリミテッドオーバークリケットは「プレミアリミテッドオーバートーナメント」、T20方式で行われるのは「ランカ・プレミアリーグ」があります。
T20方式で行われる「ランカ・プレミアリーグ」は、7月から8月の間で行われ、コロンボ・キングス、ダンブッラ・バイキングス、ゴール・グラディエーターズ、ジャフナ・スタリオンズ、キャンディ・テュースカーズの5チームが参戦しており、2021年からはスリランカ東部のトリンコマリーからも1チーム加わる予定です。
有名選手
サナス・ジャヤスリヤ
クマール・サンガッカラ
ムティア・ムラリタラン
ラシス・マリンガ
マヘラ・ジャヤワルダナ
アジャンタ・メンディス
主なスタジアム
R・プレマダーサ・スタジアム(コロンボ)
ゴール・インターナショナル・スタジアム(ゴール)
パールケレ・インターナショナル・スタジアム(キャンディ)
ランギリ・ダンブッラ・スタジアム(ダンブッラ)
マヒンダ・ラージャパクシャ・スタジアム(ハンバントタ)
ワールドカップの成績
クリケットワールドカップ
1975 – ラウンド1
1979 – ラウンド1
1983 – ラウンド1
1987 – ラウンド1
1992 – ラウンド1
1996 – 優勝
1999 – グループステージ
2003 – ベスト4
2007 – 準優勝
2011 – 準優勝
2015 – ベスト8
2019 – グループステージ
T20ワールドカップ
2007 – スーパー8
2009 – 準優勝
2010 – ベスト4
2012 – 準優勝
2014 – 優勝
2016 – グループステージ
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