クリケットで唯一、グローブの着用を許されているポジション「ウィケットキーパー」についてです。
ウィケットキーパーとは
ウィケットの後ろでポジションを取り、ボウラーから投げられたボールをキャッチします。ボウラーから投げられる速球などに対応するために、専用のグローブとレッグガードの使用を認められています。
野球でいる「捕手(キャッチャー)」と言えるでしょう。クリケットではウィケットキーパーは「守りの要」として重宝されています。
ウィケットキーパーの役割
ウィケットキーパーの主な役割についてです。
まずは、ボウラーが投げたボールを後逸しないようにキャッチすることです。キャッチできずに後逸した場合、相手に1ランが加えられます。更にボウラーはもう1球多く投げなければなりません。
そして、バッツマンが打ち損じたボールをキャッチしてコート(Caught)を狙います。グローブを持ってプレーするため、空中で高く上がったボールは、ウィケットキーパーが優先的に落下地点へ入り、ボールをキャッチします。打ち損じたボールをワンバウンドする前にキャッチしなければならないので、反射神経の良さも求められます。
そして、バッツマンがクリースより前に出ているときに、ウィケットを倒して、バッツマンをアウトにする役割もあります。バッツマンが完全にクリースから出ていた場合、ウィケットを倒すと「スタンプト(Stumpt)」でバッツマンはアウトになります。状況判断とポジショニングの良さを問われます。
最後にバッツマンが外野に打った場合に、ランアウト(Run Out)を狙うために、ウィケットの近くでポジションを取って、返球をキャッチして、ウィケットを倒す役割もあります。
フィールドプレーヤーで唯一、グローブを着用してプレーするため、ウィケットキーパーはキャッチングの要として、重要な役割を担います。
ポジショニング
ウィケットキーパーは、ボウラーのタイプによって、ポジションが異なります。
ペースボウラーなど速いボウラーの場合、バッツマンが打ち損じたボールをキャッチする時間を確保するため、ウィケットから遠目のポジションを取るのが一般的です。
変化球主体のスピンボウラーなど、遅いボウラーの場合は、ウィケットキーパーはウィケットから近いポジションを取り、バッツマンにプレッシャーを与えていきます。これはバッツマンがクリースから飛び出して空振りした場合、スタンプトでアウトを狙えるからです。
主なウィケットキーパー
最後に主なウィケットキーパーを紹介します。
MSドーニ(インド)
本名「マヘンドラ・シン・ドーニ」。2010年代を代表するインドの名ウィケットキーパー。鋭い反射神経とポジショニングでキャッチする守備能力だけでなく、優秀なバッティングセンスを兼ね揃えていました。パワーヒッターとしても有名で、下から勝ちあげて頭上でバットを振り回す「ヘリコプター」を得意としていました。
クマール・サンガッカラ(スリランカ)
2010年代でスリランカが誇る世界最高峰のウィケットキーパー。バッティングセンスも良く、現在のODIのウィケットキーパーの歴代ランキングで首位に立っている、歴史的なウィケットキーパーです。スリランカ代表は2015年で引退したが、現在43歳ながらまだ現役中のスリランカの英雄です。
デネシュ・ラムディン(西インド諸島)
長年、西インド諸島のウィケットキーパーを担っているデネシュ・ラムディン。T20の通算のコート数は38で、スタンプトは20を誇る、現在35歳のベテランです。バッティングも素晴らしく、西インド諸島の主力として活躍中です。
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