クリケットのフィールディング

目次

フィールディングについて

フィールダーは、バッツマンが打った飛球をキャッチしてアウトにしたり、ゴロや飛球がバウンダリーを越えないように止める役割があります。

バッツマンの特徴、ボウラーの特徴、試合展開によって、フィールダーのポジションを変えながら、相手のバッツマンとの駆け引きをしていき、相手のランを減らしたり、アウトを狙っていきます。

フィールダーがアウトを取る方法は2つ。飛球をワンバウンドする前にキャッチする(コート)か、バッツマンが走り切る前にウィケットを倒すこと(ランアウト)です。

フィールダーは反射神経、スピード、敏捷性、状況判断を問われます。

各ポジション

Wikipediaより

バッツマンが右打席の場合、守備側のポジションの名称は上のようになっています。バッツマンから見て背中側がオンサイド(ON)、正面側がオフサイド(OFF)と言います。

フィールダーの守備位置は、中欧にあるピッチ内にいてはいけません。そしてバッツマンの後ろの1/4のエリアで守れる人数は、ウィケットキーパーを除いて2人だけです。

ディープ(Deep)/ ロング(Long)

バウンダリーの周りに位置します。主にバウンダリーにボールが到達しないように、ボールを回収します。

ボウラーの背面の深い位置は「ロング(Long)」と呼ばれ、オンサイドが「ロングオン(Long On)」で、オンサイドが「ロングオフ(Long Off)」と呼ばれます。

ピッチから見て近い側のバウンダリー付近は「ディープ」と呼ばれ、オンサイドはそれぞれ「ディープ・ミッド・ウィケット(Deep Mid Wicket)」「ディープ・スクエア(Deep Square)」と呼び、オンサイドは「ディープ・エクストラカバー(Deep Extra Cover)」「ディープ・カバー・ポイント(Deep Cover Point)」と呼びます。

このポジションの選手は、バッツマンが打ち上げたボールをキャッチする役割がありますが、バウンダリーを越えないようにキャッチをしなければいけません。キャッチしてもバウンダリーに入ると、相手に6ランが加算されるので、意地でもバウンダリーの内側に戻さないといけません。

上の動画のように着地する前に、一度ボールを上に投げてから、フィールド内に戻ってキャッチをするか、もしくは味方の選手に投げて取ってもらうなどで、アウトにすることができます。

30ヤード付近

ピッチから30ヤードのラインの内側を守る選手についてです。

オンサイドは、バッツマンの背面からボウラーに向かって「スクエア・レッグ(Square Leg)」「ミッド・ウィケット(Mid Wicket)」「ミッド・オン(Mid On)」で、オフサイドはバッツマンの正面からボウラーへ向かって「カバー・ポイント(Cover Point)」「カバー(Cover)」「ミッド・オフ(Mid Off)」と呼ばれます。

バッツマンが打ったボールを素早く拾い、ランを進ませないことを目的としています。またバッツマンが飛び出したときは、ウィケットに向かってボールを投げます。

ショート(Short) / シリー(Silly)

ピッチから最も近いポジションのことを言います。

オンサイドのバッツマンのちょうど背後を位置するのが「ショートレッグ(Short Leg)」と言い、ちょうど対面側になるオンサイドのポジションを「シリー・ポイント(Silly Point)」と呼びます。

このポジションはバッツマンの打ったボールに対して、即座にキャッチして、アウトを試みる意図があります。打球に対して即座に反応しないといけないため、並外れた反射神経を求められます。

スリップ(Slip)

ウィケットキーパーの背後を守る選手を「スリップ(Slip)」と言います。

このポジションは、バッツマンが打ち損じて背面へ飛んだボールをキャッチする役割があります。タイミングを外してしまったバッツマンが背面に飛ばしてしまったボールをキャッチして、相手をアウトにすることができます。ショート、シリーと同じく、反射神経が問われますが、バッツマンには強いプレッシャーを与えることができます。

フィールディングのルール

フィールディングには、試合方式によって制限があります。

共通ルール

まず、テスト、ODI、T20Iを共通のルールとして、スクエア・レッグからロングストップ(ウィケットキーパーから背面のバウンダリー付近)のフィールドの1/4のエリアには、ウィケットキーパーを除いて2人までしか選手を配置することができません。

これは1932-1933年の「ジ・アッシズ(イングランド-オーストラリア)」のシリーズで、故意にバッツマンの体を狙ったボールを投げていき、そのこぼれ球を回収していく「ボディライン戦術」が問題になったため、悪質な戦術を防止させるために採用されました。

ODI/T20I限定ルール

ODIでは、過剰な守備陣形をさせないために、制限が設けられています。オンサイド側には、5人以上の選手を配置することができません。

そして、ODI、T20Iではオーバーごとで、30ヤードの枠の外でプレーできる選手の数が決められています。

ODI

1〜10オーバー 2人まで

11〜40オーバー 4人まで

41〜50オーバー 5人まで

T20I

1〜6オーバー 2人まで

7〜20オーバー 5人まで

まとめ

クリケットのフィールディングは、戦術の根幹を成す、重要な要素を持っています。「アウトを狙う」「ランを極力抑える」などの采配の他、バッツマンの飛ばす方向の傾向やボウラーの得意としている投球に合わせて、細かくポジションを変えて、相手のバッツマンにプレッシャーを与えながら守っていきます。

各ポジションごとで役割も大きく異なり、大きなフィールドを守っていかないといけませんが、ボウラーとウィケットキーパーを除いた9人で、いかにカバーしていくのか…クリケットの面白さを語るには、フィールディングは欠かすことができません。

野球と異なり、自由にポジションを決めることができる一方で、一つの決断がウィケット獲得やランの数を減らすなど、試合を大きく左右する重要な要素になります。「自由に決められる」からこその奥深さはクリケットならではと言えるでしょう。

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