クリケットのボール

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ボールの仕様

クリケットボールは、コルクの芯に紐を巻き付け、革のカバーを被せて縫い付けたものであり、重量や円周が細かく決められています。

色は赤、ピンク、白3種類あります。

赤とピンクはテストで使用されます。日中での試合の場合は赤を使用し、ピンクは昼から試合開始し、夜間まで試合が開催されるときに使用します。2000年に視認性が優れたピンクのボールが開発されたから、テストは夜も開催できるようになりました。

白はODI、トゥエンティ20の試合で使用しています。

仕様

使用は以下のようになっています。

重さ円周
13 歳以上の男性5.5 ~ 5.75オンス (156 ~ 163 g)8.81 ~ 9 インチ (224 ~ 229 mm)
13 歳以上の女性4.94 ~ 5.31オンス (140 ~ 151 g)8.25 ~ 8.88 インチ (210 ~ 226 mm)
13歳未満の子供4.69 ~ 5.06オンス (133 ~ 143 g)8.06 ~ 8.69 インチ (205 ~ 221 mm)
年少の子供たち主にプラスチック ボールを使用

男子、女子、12歳以下で使用するボールは異なります。男子が使用するボールは重めに設定されており、女子や子供は若干軽いボールを使用しています。

ボールの交換

クリケットでは他のスポーツと異なり、それぞれ決められたオーバーまで、一つのボールを使い続けます。各試合形式別のボールの交換のルールはこちらになります。

試合形式ボールの交換
テスト(ファーストクラス)1イニングで80オーバーが越えた頃に、
守備側のキャプテンがボールの交換を要求可
ワンデイ(50オーバー)1イニングに2つのボールを使用
(25オーバー以降に交換が可能)
トゥエンティ20(20オーバー)1イニングに1つのボールを使い続ける。

イニングの始まりでは、新しいボールを使用しますが、試合が進むに連れて、ボールは劣化していきます。クリケットでは劣化したボールをそのまま使い続けますが、各ボウラーはこの劣化していくボールを上手く使いこなしていくことによって、ウィケットを奪ったり、相手のランを抑えたりしていきます。

ボールの特徴

クリケットのボウラーは、ボールの縫い目を利用して、スピンをかけたり、バウンドする際に縫い目が接地するように投球を行います。

クリケットボールは、野球のピッチングと同様に、空気抵抗によりボールの軌道が変化します。ボウラーのフォーム、ボールやピッチの状態によって、ボールの軌道が大きく影響を受けます。守備側の選手にとっては、ピッチの状態と同様に、ボールの状態によって、投球術や守備位置などが大きく異なるため、戦術に大きな影響を与えます。

ボールは投げ続けていくうちに、土に含まれる水分を吸収し、次第に重くなっていきます。更にボールの表面がすり減り、ザラザラしていきます。重くなって表面がザラザラしたボールは、スピンボールを投げづらくなり、ボールが空中で変化しづらくなる傾向があります。

このため、ボウラーは投げやすくするために、ボールをズボンに擦り付けて、ボールの表面を磨いていきます。ボールを研磨し続けることによって、変化球を投げやすくしていきます。通常、ボウラーはボールの片面だけを研磨していきます。研磨する際に、ボウラーは唾液(※)や汗を使ってボールを磨いていきます。

※新型コロナウイルスパンデミック時には、感染症対策のため禁止されていた。

違法行為

ボウラーは、ズボンにこすりつけたり、唾液や汗を利用してボールを研磨していくことは可能ですが、以下の行動は禁止されています。

  • 唾液や汗以外の物質でボールを磨く行為
  • ボールを地面に擦り付ける行為
  • 爪やベルトの金具、紙やすりなどでボールに傷をつける行為
  • ボールの繋ぎ目を解いたり、持ち上げる行為

このような行為は「ボールタンパリング」と呼ばれています。これらをすることによって、ボールは変化しやすくなります。しかし、これらの行動は重大なルール違反としてみなされており、この行為が発覚すると、罰金や出場停止などの処分の対象になります。

クリケットでは、たびたびボールの違法改造事件が発生しており、その都度問題になっています。2018年には、南アフリカと対戦していたオーストラリア代表のボウラー、キャメロン・バンクロフトが紙やすりでボールを傷つける大事件が発生しました。当事者のバンクロフトには8ヶ月の出場停止処分がくだされ、この作戦を企てた首謀者である当時のキャプテンのスティーブ・スミス、副キャプテンのデイヴィッド・ワーナーには1年間の出場停止がくだされました。

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