クリケットのピッチ

目次

概要

クリケットのピッチとは、クリケットのフィールドの中央にある、芝生が刈りこまれた長方形のレーンです。長さ22ヤード(20.1メートル)、幅10フィート(3メートル)です。

両横にはボウラーが投げるエリアである「ボウリングクリース」、ボウラーの踏み切り線である「ポッピングクリース」、そして「ウィケット」があります。

クリケットの試合では最も重要なエリアであり、ゲームの大半はこのピッチで行われます。ボウラーは、クリースの中からはみ出すことがないように投球し、ピッチにバウンドさせながら、バッターに打たれないように投球を行います。

6種類のピッチ

https://cricketnlive.com/different-types-of-pitch-in-cricket-why-pitch-is-important/

プロのクリケットの試合では、様々なピッチ条件の中で、様々な技術を駆使しながらプレーしていきます。これは天候状況、湿度、気圧、土壌の砂質などによって左右し、大きく分けて6種類あります。また世界各地の会場によってもピッチ条件は異なり、また試合中もピッチ条件は大きく変化する場合もあります。

グリーンピッチ Green Pitch

文字通り緑に見えるピッチです。緑色の芝生に覆われている状態であり、ボールが摩耗しづらく、テストマッチに向いているピッチと言われています。

グリーンピッチでは、バウンドがよく弾み、腰や肩の高さまで上がることが多く、バウンドが予測しづらいためバッターにとっては打ちづらい傾向にあります。

試合の序盤は綺麗な芝生でプレーできるものの、投球を重ねるたびに芝生が摩耗していくため、試合が進むたびにピッチの質が変化していきます。最初ばバウンドしやすい条件でも、中盤戦以降にはピッチ状態が荒れることもあり、チームは常にピッチ状態を見極めなければなりません。

速球を得意とするペースボウラーに有効で、バッターにとっては非常に打ちづらい傾向にあります。またボウラーでも変化球が得意なスピンボウラーにとっては、あまり好まれない傾向にあります。このピッチ状態でプレーすることが多いオーストラリアやニュージーランドでは、ロースコアゲームになりやすいです。

フラットトラックピッチ Flat Track Pitch

草が刈り取られて、ピッチ状態が平面になった状態のピッチを「フラットトラックkピッチ」と言います。

このピッチでは、草が少なく、ボールの勢いが地面に吸収されやすいことから、ボールがバウンドしづらい傾向にあります。このピッチではボールの変化が予想しやすいため、バッターが有利と見られています。

このピッチ条件は、インド北部やパキスタンでよく見られます。このピッチ条件ではボウラーは変化させずらいため、バウンドさせる位置を変えたり、緩急をつけたボウリングなどでバッターを翻弄させていく必要があります。

ドライピッチ Dry Pitch

ピッチの水分がなくなってしまい、完全に乾いてしまった状態のピッチ状態を「ドライピッチ」と言います。

このピッチでは、草が少なく砂が多いので、バウンドが不規則になる傾向があります。バッターにとってはボールが予想しづらく、打ちにくい傾向があります。このピッチ状態で最も有効なのはスピンボウラーです。遅いボールながら強力なスピンがかかったボールは軌道が予想しづらく、バッターを翻弄させやすい傾向にあります。

このピッチは、インド、パキスタンなどでよくみられる傾向があります。また、乾燥帯の地域では、試合中にこのピッチに変化することもあり、各チームのキャプテンは見極めが求められる場合もあります。

ウェットピッチ Wet Pitch

雨で濡れた状態でのピッチを「ウェットピッチ」と言います。このピッチ状況では、すべてのプレーヤーにとって非常に難しいコンディションです。

このピッチ状態のときは、ボールをバウンドさせたときにピッチにボールが食い込むため、ボールが遅くなる傾向があります。また足元が悪くなり、滑りやすくなっているため、ボウラーは転倒の危険性があります。クリケットでは同じボールを繰り返し使用するため、繰り返し投げているうちにボールに水分が吸収されてしまい、ボールが滑りやすくなることがあります。よって、どのボウラーにとっても、非常に投げにくい状態と言えます。

更にバッツマンにとっても、水に濡れたピッチでは効力が発揮しづらい傾向にあります。ボールが弾みにくく、なおかつバウンドが予測しづらく、ランを稼げない場合も多々あります。

このようなピッチ状態では、試合が中止される場合があります。一時中止される場合、雨でコンディションを悪化させないように、ピッチにはカバーをかぶせます。

ダスティピッチ Dusty Pitch

ピッチが乾燥しており、土が粉状になっているピッチのことを「ダスティピッチ」と呼ばれます。ボールが地面に食い込んで跳ね返りが少ない傾向にあります。

この状態でのピッチでは、スローボウラーやスピンボウラーが有利になります。ボールが飛びづらくなる傾向があり、バッターは打ち損じが多くなる傾向があります。砂埃も舞うため、視界が悪くなるため、バッターにとっては非常に難しい状況になります。

このピッチ状態では、試合が経過するごとにピッチが荒れやすくなるため、ボウラーはピッチ状態の変化を踏まえながら、バッターを更にかく乱していくなど、多様な戦法を取っていきます。

デッドピッチ Dead Pitch

主に夏季や乾季に発生するピッチ状態で、非常にフラットな特徴を持っているのが「デッドピッチ」と言います。この状態ではボールのバウンドが一定になりやすく、変化も起こしにくいため、バッターにとって最も優位なピッチ状態となります。

このピッチ状態のときは、ハイスコアになりやすい傾向にあり、バッターは積極的に4ラン、6ランを狙っていきます。逆にボウラーにとっては、ボールに変化を起こしにくい状態になるため、非常に投げづらいコンディションです。

またデッドピッチでは、試合が経過してもピッチ状態に大きな変化がないため、バッターは好調を維持しやすくなります。

シェアお願いします!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次