西インド諸島のクリケット

クリケット西インド諸島代表は、西インド諸島の英語圏の国々や、イギリスの海外領土を代表する多国籍ナショナルチームです。

オリンピックやサッカー、ラグビーでは、ナショナルチームはそれぞれの国で形成されますが、クリケットでは西インド諸島にある英語圏の国々を中心に、多国籍の選手が集まり、チームを形成しています。

愛称は「West Indies」を略して「ウィンディーズ(Windies)」や、伝統的に使用されるユニフォームの小豆色から「メン・イン・マルーン(Men In Maroon)」など呼ばれています。

目次

加盟国

チームの統治機関であるクリケット西インド諸島代表は、バルバドス、ガイアナ、ジャマイカ、トリニダード・トバゴ、リーワード諸島、ウィンドワード諸島の6つの協会で構成されています。

リーワード諸島クリケット協会はアンティグア・バーブーダに本拠地があり、セントクリストファー・ネイビス、アンギラ、モントセラト、英領ヴァージン諸島、米領ヴァージン諸島、シント・マールテンが加盟しています。

ウィンドワード諸島クリケット協会は、ドミニカ国、グレナダ、セントルシア、セントビンセントおよびグレナディーン諸島の4カ国が加盟しています。

一般概念での「西インド諸島」はカリブ海の島国全般のことを言いますが、クリケットでの西インド諸島代表は異なる概念を持っています。ケイマン諸島、タークス・カイコス諸島らのイギリス領とバハマは、一般概念では西インド諸島になりますが、クリケット西インド諸島代表とは別に独自のナショナルチームを持っています。

加盟している国と地域は以下の通りになります。

主権国家
🇧🇧バルバドス
🇬🇾ガイアナ
🇯🇲ジャマイカ
🇹🇹トリニダード・トバゴ
🇦🇬アンティグア・バーブーダ
🇰🇳セントクリストファー・ネイビス
🇩🇲ドミニカ国
🇬🇩グレナダ
🇱🇨セントルシア
🇻🇨セントビンセントおよびグレナディーン諸島

イギリスの海外領土
🇦🇮アンギラ
🇲🇸モントセラト
イギリス領ヴァージン諸島

オランダの海外領土
🇸🇽シント・マールテン

アメリカ合衆国領
アメリカ領ヴァージン諸島

歴史

西インド諸島におけるクリケットの歴史は古く、1890年代に遡ります。当時イギリス領だった西インド諸島では、最初の代表チームがイギリスへ遠征するためのメンバーが選ばれました。1926年に国際クリケット協議会(ICC)に加盟し、1928年からテストクリケットの国際試合を行い、4番目の加盟国となりました。

第二次世界大戦後に西インド諸島の国々は、それぞれ英国から独立していきますが、独自の代表チームを持つのではなく、多国籍の西インド諸島代表チームを維持しました。

1970年代に入り、伝統的な試合形式であるテストクリケットの他に、1日で行われる「ワン・デイ・インターナショナル(ODI)」が普及し始めると、1975年に第1回目のクリケットワールドカップが行われました。その大会でウィンディーズは、ワールドチャンピオンに輝き、第2回のクリケットワールドカップでも優勝を果たしました。

世界最高の高速ボウラーのマルコム・マーシャル、世界屈指のバッツマンで名キャプテンのクライブ・ロイドなど擁し、70年代から90年代初頭まで、ウィンディーズはクリケット界を牽引している、世界最強のチームでした。1984年にはテストクリケット11連勝の世界記録も樹立し、母国イングランドに対して、2度の5対0のスコアで破りました。

世界最強を誇ったウィンディーズも、90年代に入ると、西インド諸島の経済不況が原因でクリケットの人口も減少。他の強豪国と異なり、経済規模が小さい西インド諸島はプロ化が進まず、過去の栄光を維持することができませんでした。

しかし、2000年代に入ると、2〜3時間ほどの短時間で終了する新しいクリケット「トゥエンティ20」が開始されると、ウィンディーズに転機が訪れます。球数制限がある短時間の試合形式では、パワーヒッターが有効になるため、クリス・ゲイル、キーロン・ボラード、マーロン・サミュエルズなどのパワーヒッターを多く輩出したことにより、ウィンディーズは復活を果たしました。

2012年に行われたT20Iワールドカップでは、決勝で強豪オーストラリアに勝利し、1979年以来の国際タイトルを獲得。更にインドで行われた2016年のT20Iワールドカップでは、開催国のインドや母国イングランドに勝利し、2度目のT20Iワールドカップ優勝を果たしました。

トゥエンティトゥエンティの登場により、復活を果たしたウィンディーズ。「カリブ海の雄」として、今後の活躍も期待されます。

ほとんどのナショナルチームでは、その国の旗が使用されますが、多国籍チームのウィンディーズは、ナショナルチーム用として独自の旗を使用しています。

背景は伝統の小豆色を使用し、中央には太陽に照らされた小さな島にヤシの木、クリケットを意味するウィケットが描かれています。この端は1999年から使用されています。

国歌

ナショナルチームでは、それぞれの国では国歌を歌われますが、多国籍チームの西インド諸島は国歌の代わりになる曲を歌われます。

それがトリニダード・トバゴのカリプソニアン(ソカ歌手)のデヴィッド・ラダーの「ラリー・ラウンド・ザ・ウェスト・インディーズ(Rally Round The West Indies)」が歌われます。

主な有名選手

ヴィヴ・リチャーズ

ブライアン・ララ

クライブ・ロイド

マルコム・マーシャル

コートニー・ウォルシュ

クリス・ゲイル

主なスタジアム

クイーンズパークオーバル(ポートオブスペイン/トリニダード・トバゴ)

ケンジントンオーバル(ブリッジタウン/バルバドス)

ボールダ(ジョージタウン/ガイアナ)

サビーナ・パーク(キングストン/ジャマイカ)

サー・ビビアン・リチャーズ・スタジアム(ノースサウンド/アンティグア・バーブーダ)

ワールドカップでの成績

クリケットワールドカップ

1975 – 優勝
1979 – 優勝
1983 – 準優勝
1987 – 予選リーグ
1991 – 6位
1996 – 準決勝
1999 – 予選リーグ
2003 – 予選リーグ
2007 – 6位
2011 – 準々決勝
2015 – 準々決勝
2019 – グループステージ

T20Iワールドカップ

2007 – グループステージ敗退
2009 – 準決勝
2010 – ベスト8
2012 – 優勝
2014 – 準決勝
2016 – 優勝

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