野球の世界大会「WBC」が開催しているので、このタイミングでクリケットと野球の比較記事を書いてみることにしました。
共にバットとボールを使ったスポーツであり、お互いに共通点も多いクリケットとと野球。今回は2つのスポーツを表にして比較してみることにしました。
用語
クリケット | 野球 | |
投手 | ボウラー(Bowler) | ピッチャー(Pitcher) |
打者 | バッター(Batter) バッツマン(Batsman) | バッター(Batter) |
捕手 | ウィケットキーパー(Wicket Keeper) | キャッチャー(Catcher) |
野手 | フィールダー(Fielder) | フィールダー(Fielder) |
競技性
クリケット | 野球 | |
人数 | 11人 | 9人 |
ポジション | 自由(ボウラーとウィケットキーパー以外) | 固定 |
審判 | フィールド上に2人。 フィールド外に3人(ビデオ審判) | 通常4~6人 |
バッティング | 360° | 前方90°(後方270°はファール) |
バット | 木製の平たいバット 長さ38インチ、幅4.25インチ以下 (長さ96.5㎝、幅10.8㎝以下) 重さは1.1㎏~2.3kg | 木製の棒状のバット 直径2.625インチ(6.66㎝)以下 長さ42インチ(1m67mm)以下 |
投球 | 66フィート(20.1m) | 60フィート(18.4m) |
ボール | テスト:赤orピンク ODI、T20は白 | 白色に赤色の縫い目 |
ボールの交換 | 規定によって決められている。 摩耗したボールは使い続ける。 | 摩耗したボールの交換は可能 |
投球制限 | テスト:制限なし ODI、T20:全体の1/4まで 1オーバーでボウラー交代しなければならない ※1オーバー=6球 | 制限なし ※大会によって決められる場合もあり |
スタンドに入ったボール | 回収される(再び使用する) | 持ち帰り可(例外あり) |
打席 | 制限なし | ボックス内に制限 |
フィールド | 楕円形 | 変則的なトライアングル |
イニング | テスト:2イニング ODI、T20:1イニング | 9イニング(例外あり) |
攻守交代 | 10アウト ODIは50オーバー、T20は20オーバーで攻守交代 ※1オーバー=6球 | 3アウト |
境界線 | バウンダリー | フェンス |
得点 | ペアが反対側のウィケットへ走ると1ラン 1バウンド以上でバウンダリー到達 ノーバウンドでバウンダリーを超える (その他守備側の反則により得点もある) | ベースを1周すると1点 |
野手 | 素手(ウィケットキーパー以外) | 片手にグローブを装着 |
試合時間 | テスト:最長5日間 ODI:最長7時間 T20:2〜3時間 | 3時間半〜5時間 |
細かいルールまで説明すると、非常に長くなってしまいますが、2つのスポーツを表で比べると、このような違いがあります。
打撃に関して
表でまとめるのが難しいので、打撃に関しては文章で説明します。
クリケットには野球でいう「スコアカウント」というものがありません。クリケットでは、野球で言うストライクゾーンというのは、バッターの背面にある「ウィケット」がそれに当たりますが、これは相手ボウラーに倒された時点で、バッターはアウトになります。
アウトになると、そのイニングでのバッティングの機会は失ってしまうため、クリケットではバットでウィケットを守る技術も求められます。ウィケットに向かってくるボールをバットで守りつつ、相手の甘いボールは思っきり打ち返すことも求められます。
また、クリケットには野球で言う「ファーボール」の概念もないため、打ち返さない限りは、バッターは点を取ることができません。あまりにも横に逸れたボールは、攻撃側に1ランが加算されますが、ボウラーとしては限られた投球数で相手のランを少なく抑えるのが目的であるため、バッターを抑えるためには、必ずしもウィケットを狙い続けなければならないわけでもありません。
あと、バッターは打ち損じた場合は、無理に走る必要がないのもクリケットの特徴です。野球では、バットに当てた時点で、一塁へ走らなければなりませんが、クリケットでは「走るとアウトになる状況」では、走らない判断を取ることが可能です。
クリケットでは打ち損じた場合は走らない判断を取ればよく、スコアカウントがないためウィケットに当たらない限りは空振りは何度も許されます。よって、クリケットはバッターが有利なスポーツであり、ボウラーは不利なスポーツと言えるでしょう。
コメント