今回はボールのラインとレングスについてです。
ライン
ラインはボールの軌道のことを言います。ボウラーはバッツマンをアウトにするために、様々な軌道を駆使しながら、ウィケットを狙ったり、バッツマンの打ち損じを誘ったりします。
コリドール・オブ・アンサートンリー
「コリドール・オブ・アンサートンリー」とは、ウィケットに当たるか外れるか判断しづらいラインのことを言う。このコースに入ってくるボールは、バッツマンにとって、ウィケットを守るバッティングを行うかどうか、判断するのが非常に難しく、ボウラーにとっては理想的なラインといえる。
直接真っ直ぐを狙って、ウィケットを狙いに行くのか、変化球を投げることによって、わざとウィケットに当たらない場所を狙い、相手のバッツマンのタイミングを外していくか、投球戦術の根幹となる部分です。「コリドール・オブ・アンサートンリー」を狙うことによって、バッツマンにプレッシャーを与えていくことが、クリケットのボウリングにおいては重要な要素になります。
レングス
レングスは、ボウラーから見たときの球がバウンドする位置と到達する距離のことを言います。ボールの落ちる位置と長さについては以下の図の通りで呼ばれています。
ヨーカー
バッツマンの足下でバウンドする低いボールを「ヨーカー」と言います。バッツマンにとっては、最も打ちづらいボールだが、ボウラーにとっては最も投球が難しいコースです。速球を得意とするペースボウラーにとっては、バッツマンのランを抑えるために、非常に重宝されます。
主に得意とするボウラーは、オーストラリアのミッチェル・スターク、パット・カミンズ、ニュージーランドのトレント・ボールト、ティム・サウティー、インドのジャスプリット・ブムラー、タンガラス・ナタラジャン、イングランドのクリス・ジョーダンなど、ヨーカーを得意としています。
フルピッチド
グッドレングス
ウィケットを倒す丁度いい高さへのボールが「グッドレングス」と呼ばれます。このボールでボウルドを奪えることはありますが、バッツマンに読まれた場合は、6ランを狙われることもあります。
ショートピッチド
バウンサー
主に高速ボウラーによって、一度バウンドさせたボールが、相手の頭の高さにまで到達するボールのことを「バウンサー」と言います。
ボールが頭部へ襲うこともあり、バウンサーによる頭部直撃により、負傷退場や、過去には死亡事故も発生しています。バウンサーは時には論争の的になり、クリケット界を大きく騒がせる要因にもなっています。
ビーマー(反則)
ノーバウンドで上半身を直撃するボールを「ビーマー」と呼ばれます。
「ビーマー」は反則投球とみなされ、ノーボール判定になり、相手に1ランがくわれられます。汗でボールが滑るなど、ボウラー側のミスで起こることはありますが、アンパイアにより「故意」と判定された場合は、ボウラーは即時に退場となります。
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